自動補正/キャリブレーション <DWX-53D>
加工位置の補正
長期間使用したり、周囲の環境が変化したりすると加工機の精度が変化する場合があります。自動補正を行うことで ATC マガジンや回転軸の位置が補正されます。
作業を行うとき
• 機体を設置または移設したとき
• スピンドルユニットを交換したとき
• 加工位置にずれが発生した場合
• 加工結果に段差が発生、Z 方向に穴が開くなどの症状が出た場合
※不具合を感じない時の自動補正はお勧めしません。
参考:自動補正を行っても精度が改善しない <DWX-53D>
必要なもの
検出ピン |
自動補正用治具 | お手入れ用の布 |
重 要 |
自動補正を行っても加工位置をうまく補正できない場合や、より高精度な加工品質を求める場合は、手動補正の実施をおすすめします。手動補正を実施したあとに自動補正をすると、手動補正の補正値が初期化されます。 |
自動補正
手順
フロントカバーが開いている場合は、フロントカバーを閉じる。
フロントカバーを軽く引き上げてから、カチッと音が鳴るまで下げてください。
機体の電源スイッチをオンにする。
機体が初期動作を始めます。ステータスライトが点滅から点灯に変われば、初期動作は完了です。
重 要 初期動作中はカバーを開けないでください。 |
VPanel を表示する。 をクリックする。
[機体設定 - DWX-53D]画面が表示されます。
[メンテナンス]タブの[自動補正]をクリックする。
[自動補正 - DWX-53D]画面が表示されます。
画面の指示に従って、自動補正を行う。
機体の清掃を行った後に検出ピンと自動補正用治具を取り付け、自動補正を実行します。
清掃や部品の取り付け方法の詳細については、以下の手順に沿って作業を進めてください。
検出ピンを取り付ける
手順
フロントカバーを開ける。
カチッと音が鳴るまで引き上げてください。
回転軸ユニットと ATC マガジンに加工くずが残っている場合は清掃する。
付属品のお手入れ用の布で、クランプ(①)、ミリングバーセンサ―周辺(②)の汚れをきれいに拭き取る。
汚れが付着していると、正常に補正ができない場合があります。
重 要 クランプ(①)の裏側もきれいに拭いてください。 |
検出ピン(①)と、自動補正用治具の表側(②)と裏側(③)の汚れをきれいに拭き取る。
下図の灰色の部分を清掃してください。汚れが付着していると、正常に補正ができない場合があります。
重 要 自動補正用治具は、シャフト部分もきれいに拭いてください。 |
ATC マガジンの 15 番に検出ピンをセットする。
メ モ ATC マガジンに検出ピンをしっかり差し込んでください。
|
自動補正用治具を取り付ける
手順
アダプター ID を手前に向け、自動補正用治具をクランプに差し込む。
自動補正用治具はクランプの溝に沿って静かに差し込み、奥に突き当たるまで押し込んでください。
勢いよく差し込むと、自動補正用治具が機体内部にぶつかって治具が欠けたりけがをしたりする恐れがあります。
自動補正用治具を固定する。
図のように自動補正用治具を押し当てながら、固定ノブ(2 箇所)を矢印の方向に閉じて自動補正用治具を固定します。
自動補正用治具を軽く引っ張り、抜けないことを確認する。
フロントカバーを閉じる。
フロントカバーを軽く引き上げてから、カチッと音が鳴るまで下げてください。
自動補正を行う
手順
画面に表示されている作業を行ったら、[OK]をクリックする。
自動補正が実行されます。
作業完了のメッセージが表示されたら、自動補正は完了です。
検出ピンと自動補正用治具を取り外す
補正が完了したら、検出ピンと自動補正用治具を取り外し、清掃してから保管します。
注意 アダプターを取り外す際に勢いよく引き抜かない。 |
手順
フロントカバーを開ける。
カチッと音が鳴るまで引き上げてください。
ツールストッカーから検出ピンを取り外す。
自動補正用治具を取り外す。
(1) 固定ノブ(2 箇所)を、矢印の方向に開いてロックを解除する。
ゆっくりと自動補正用治具を引き抜く。
自動補正用治具は、ゆっくりと引き抜いてください。引き抜くときに機体内部で手などをぶつけないように注意してください。
検出ピンと自動補正用治具のお手入れと保管
補正が完了したら、検出ピンと自動補正用治具を取り外し、清掃してから保管します。
自動補正には、検出ピンと自動補正用治具を使います。検出ピンや自動補正用治具に傷や汚れ、サビがあると正確な補正ができず、加工結果に影響を及ぼしたり、本機が破損したりすることがあります。
- 付属品のお手入れ用の布で、検出ピンと自動補正用治具の全体を念入りに拭く。
傷や汚れ、サビがないことを確認してください。 - 機体下部のボトムストレージカバーを押して開ける。
- 自動補正用治具と検出ピンを保管する。
自動補正用治具はアダプターラックに立てかけ、検出ピンはボトムストレージに収納して保管します。